「うちの子、学校で英語やってるのに、このまま話せるようにならないんじゃないかな」
「そもそも、なんで日本人って何年やっても英語話せないんだろ」
検索窓に「日本 英語教育 なぜ」って打ってこの記事にたどり着いた、あなた。
その気持ち、痛いほどわかる。私も同じところに立ってた側だから。
私はナカヤマ、47歳の専業主婦。今は大学生と高校生の子どもが2人いて、どちらも小中学生のうちに英検準1級と英検2級を取って、いまは英語を「勉強」じゃなく「日常の言葉」として使ってる。でもね、私自身は英語がペラペラで子育てを始めたわけじゃない。むしろ真逆。
20代のとき看護師を辞めて、貯金を全部使って2年間イギリスに渡ったの。「絶対に話せるようになる!」って本気で。……結果、思い通りには話せないまま帰国した。あの2年で身体に刻まれたのは、「大人になってから取り戻すのは、本当にキツい」って事実だった。
この記事はね、日本の英語教育を叩くための記事じゃないよ。学校や先生の悪口を言う記事でもないし、「今からやらないと手遅れ」ってあなたを焦らせる記事でもない。
読み終わったときにあなたに持って帰ってほしいのは、たった2つ。
「なぜ話せないか」の構造と、「じゃあ家庭で何をすればいいか」の最初の一歩。それだけ。一緒に見ていこ。
「6年やって話せない」は誤解。「6年”しか”やっていない」が実態だった

まず最初に、いちばん大きな誤解をひっくり返しておくよ。
「6年間も英語やって話せないなんて、日本の英語教育はダメだ」——これ、実は事実の見方が少し違うんだよね。
正確に言うとね、日本の子どもたちは「6年やって話せない」んじゃなくて、「6年”しか”やっていないから話せない」の。何言ってんの? って思うよね。ちゃんと説明するから、ちょっと数字と付き合ってほしい。
英語が話せるようになるまで何時間かかるのか
ここで基準になるのが、アメリカのFSI(米国国務省附属外交官養成局)が出してる「言語習得に必要な時間の目安」って有名なデータ。英語を母語とするアメリカの外交官が、赴任先の言葉を実務でちゃんと使えるレベル(C1相当)まで身につけるのに何時間かかるかを、英語との「言語的な距離」ごとに分類したものなんだ。
これによると、英語話者にとって日本語は「もっとも遠い言語」のカテゴリにあって、習得に約2,200時間以上かかるとされてる。逆方向、つまり日本語話者が英語を身につけるにも、同じくらいの時間が必要と考えるのが自然なんだよ。
- カテゴリ1(英語に近い言語:スペイン語・フランス語など):約600〜750時間
- カテゴリ2〜3(ドイツ語・インドネシア語など):約900〜1,100時間
- カテゴリ4(英語からもっとも遠い:日本語・中国語・韓国語・アラビア語):約2,200時間以上
※出典:U.S. Department of State, Foreign Service Institute (FSI) Language Difficulty Rankings
2,200時間。……ちょっと想像してみて。1日1時間、365日休まずやっても6年以上かかる分量。日本人の英語習得は、スペイン語話者の3倍以上のコストがかかるんだよ。これ、才能とか努力の話じゃなくて、単純にスタート地点が違うってこと。
日本の学校で英語に触れる時間はどれくらいか
で、これに対して日本の学校教育で英語に触れる総時間ってどれくらいだと思う?
文部科学省の学習指導要領で決まってる標準授業時数から計算するとね、こんな感じ。
| 学校段階 | 年間授業時数 | 合計時間の目安 |
| 小学校3〜4年(外国語活動) | 年35単位時間 × 2年 | 約53時間 |
| 小学校5〜6年(外国語) | 年70単位時間 × 2年 | 約105時間 |
| 中学校 英語(3年間) | 年140単位時間 × 3年 | 約350時間 |
| 高校 英語(標準3年間) | おおむね年100〜130時間相当 | 約350時間前後 |
| 合計(小・中・高) | —— | 約850時間前後 |
※1単位時間は小学校45分、中・高は50分換算。学校・コースによって若干上下します。出典:文部科学省 学習指導要領。
合計、だいたい850時間前後。多く見積もっても1,000時間には届かない。
思い出して。話せるようになる目安は2,200時間以上だったよね。
つまり、日本の学校で「まじめに全部の授業を受けた子」でも、習得ラインの半分以下にしか到達できていない、っていうのが事実。
これって、子どもが悪いんじゃないし、先生が悪いんでもないよね。単純に、時間が足りない。それだけの話なんだよ。

え、計算したらぜんぜん足りないじゃん! じゃあ、いくら子どもが真面目に授業受けても、そもそも話せるようになる時間じゃないってこと?



そういうこと。だからね、子どもを責めないで。先生も責めないで。「6年やったのに」じゃなくて「6年”しか”時間がなかった」の。ここが出発点だよ。
日本の英語教育は「失敗」じゃない。「設計通り」に動いた結果だ


次に、もうひとつの大事な視点。「日本の英語教育は失敗している」って言う人、多いよね。私は、これも正確じゃないと思ってる。
日本の学校英語はね、失敗してるわけじゃないの。「設計通り」に動いた結果、話せない子が育っただけなんだよ。
何が言いたいかっていうと、日本の学校英語は、そもそも「話す」ために組まれていないってこと。「試験で測れる英語力」——読解、文法、語彙、これらのために最適化されたシステムなんだよ。だから、設計通り読解力はついてる。文法もそこそこ理解してる。ただ、「話す訓練」の時間はほぼゼロで組まれてる。「話せない」のは、システムのバグじゃなくて仕様。冷たく聞こえるかもだけど、これ、めっちゃ大事な切り分けなんだよね。
入試で「話す力」は測れなかった
なぜ学校が「話す訓練」に時間を割かなかったか、って考えたことある?
答えはシンプルで、入試で問われなかったから。大学入試センター試験は2020年まで長年、筆記(読解・文法・リスニング)中心で、「スピーキング」を全国一斉に公平に測る仕組みがなかった。何万人もの受験者を対象に、面接官を集めてスピーキング試験をやるのって、コスト的にも公平性的にもものすごくハードルが高い。
で、先生の立場になって考えてみてよ。入試で出ないものを、限られた授業時間の中で優先的に教えるインセンティブがある? ない、よね。生徒からも保護者からも「受験に出ないことをやってる暇があったら過去問解かせて」って言われるのが目に見えてる。
これは先生の熱意の問題じゃなくて、制度設計の問題。誰かひとりを責めても解決しない。
2021年から始まった大学入学共通テストでは、リスニングの配点が大幅に増えた。少しずつ「聞ける・話せる英語」に舵は切られてきてる。ここは正直に認めるべき変化だよ。ただ、それでも「話す」を全員に公平に測る仕組みが完成したとは言えない状態なんだよね。
「先生が英語を話せない」は先生の責任ではない
「先生自身が英語話せないのが問題でしょ」って批判、SNSでもよく見かける。気持ちはわかる。でも、ちょっと待って。
今、中学・高校で英語を教えてる40代・50代の先生たちって、自分たちも「試験のための英語」で育った世代なんだよ。私と同じ、あなたと同じ、この構造の中で学生時代を過ごしてきた人たち。
私自身、看護学校で英語の授業を受けたけど、「話す訓練」なんてほぼゼロだった。教科書を訳して、単語を覚えて、テストに答える。それだけ。その構造の中で育った私が「話せる先生」を要求するのは、正直、ちょっと違うと思う。
先生たちは、自分が受けた教育をベースに、決められたカリキュラムを、決められた時間内で、決められた評価基準に沿って教えてる。その中で頑張ってる先生たちを叩いても、子どもの英語力は1ミリも上がらない。これはあとでもう一度言うけど、ここでもハッキリ言っておきたい。



つまり、英語教育は「壊れてる」んじゃなくて、英語を”試験科目”として正確に教えてきた……ってことなんですね。目的が違えば、結果が違うのは当たり前だと。



そう、そこ。壊れてないの。ちゃんと動いてるの。ただ、”話す”ための設計じゃなかっただけ。ここをごっちゃにすると、怒る相手を間違えることになるからね。
日英間の「言語の距離」が、他のどの国より学習コストを高くしている


ここでもうひとつ、あんまり語られない大事な話をさせて。そもそも、日本語と英語は「めちゃくちゃ遠い言語同士」なんだよ。
これ、比べてみるとわかりやすい。
- 語順が違う:日本語は「私は りんごを 食べる」(SOV)、英語は「I eat an apple」(SVO)。動詞の位置がそもそも真逆。
- 音の数が違う:日本語の母音は基本5個。英語は方言差はあるけど20個近く。「R」と「L」、「B」と「V」を聞き分けろって言われても、日本語の音システムにないんだから、そりゃ最初は聞こえない。
- 文字体系が違う:日本語はひらがな・カタカナ・漢字の混合。英語はアルファベット26文字。認識の脳の使い方から違う。
- 共通語彙がほぼゼロ:ヨーロッパ言語同士は「hospital」「hôpital」「Hospital」みたいに共通語源があるけど、日本語と英語にはこれがない。カタカナ英語は例外的な借用にすぎない。
これだけの「距離」があるのに、ヨーロッパの人たちと同じ授業時間で同じ結果を求めるのは、そもそも無理筋なんだよね。
「日本語話者の英語習得は特別に時間がかかる」科学的根拠
さっきちらっと出したFSIの分類をもう一度出すね。
スペイン語話者が英語を「業務で使えるレベル」まで持っていくのに、目安約600〜750時間。日本語話者が同じレベルに到達するには、2,200時間以上。
ざっくり3倍以上のコストがかかるってこと。これはね、才能の差でも根性の差でもないよ。スタート地点の違い。同じマラソンでも、他の国の人は5キロ地点から走ってるのに、日本人はゼロキロ地点から走ってる、みたいな。
「なんで自分だけこんなに時間かかるんだろ」って落ち込んでるママ、あなたも子どもも、なんにも遅くないの。ただ、レースの距離が長いだけ。ここに気づくと、ちょっと肩の力抜けるでしょ。
教室を出た瞬間、英語が消える。「日本語だけで完結する社会」の壁


時間の問題、設計の問題、言語の距離の問題。ここまで来て、まだひとつ、大きな壁がある。
日本は、日本語だけで人生が完結する社会だってこと。
ちょっと自分の生活を思い出してみて。朝起きて、テレビをつけて、コンビニでコーヒー買って、仕事や家事をこなして、YouTubeやNetflixで日本語の作品を観て、家族と日本語で話して、寝る。……1日のうち、英語じゃないと生きていけない瞬間って、ある?
ないよね、正直。役所の書類も日本語、病院の問診票も日本語、選挙の候補者も日本語で演説する。これって世界的に見ると、けっこう珍しい環境なんだよ。フィリピンとかインドとかシンガポールみたいに、母語と英語が生活の中で並走してる国のほうが多い。
で、言語ってね、使わなければ忘れるのが基本原理。脳は「よく使う情報」を優先的に保存して、「使わない情報」はどんどん薄れさせる仕組みでできてる。教室で覚えた英単語も、教室を出た瞬間に使わなければ、翌週にはもう半分消えてる。
- 週3〜4時間の授業で英単語を覚える
- 教室を出た瞬間、英語に触れる時間ゼロ
- 1週間後、単語テストで思い出せない
- 「私、英語向いてないんだ」と自分を責める
この負のループ、あなたにも心当たりない? 私、めっちゃあった。学生時代の私の英語ノート、書いたそばから消えていく単語で埋め尽くされてたよ。向いてなかったんじゃなくて、脳が「必要ない」って判断してただけだったんだよね。
「じゃあ、YouTubeで英語の動画つけっぱなしにしとけばいいんじゃない?」って思う人もいるかもだけど、これも実はちょっと違うんだ。



え、英語のYouTube流しっぱなしにしとけば、耳が慣れて自然に覚えるんじゃないの? BGM感覚で!



ともみ、それだと”聞き流し”になっちゃうんだよね……。言語習得って、脳が「これは意味のあるやりとり」って認識してはじめて動くらしくて。誰かと反応し合うインタラクションがないと、雑音として処理されちゃうって聞いたよ。
あすみの言うとおり。「聞き流し」より、「短くていいから反応する時間」のほうが100倍効く。これは家庭で英語を取り入れるときのめっちゃ大事なコツだから、覚えといて。
「今は昔と違う」は本当か? 制度改革の実態と限界


ここまで読んで、こう思った人もいるかも。「でも、今は小学校から英語やってるじゃない? 私たちの時代とは違うでしょ?」
その感覚、半分正解、半分足りない。制度は確実に変わってきてる。ここは、正直に認めるところだよ。
- 2011年:小学校5〜6年生で「外国語活動」がスタート(年35時間)
- 2020年:改訂で小学校3〜4年生から「外国語活動」、5〜6年生は「外国語」(正式教科)へ
- 結果として、小学校段階の英語授業は合計で年間およそ150時間前後に増加
※出典:文部科学省 学習指導要領(2017年告示、2020年度全面実施)
これ、私たちの子どもの頃と比べたら大きな前進なんだよ。私は昭和生まれだから、中学1年生ではじめてローマ字じゃない英語に触れた世代。それに比べたら、今の子たちは4年早く英語のシャワーを浴び始めてる。これは本当にありがたい。
小学校英語が「早期化」した本当の効果と課題
じゃあ、これで日本人は話せるようになるかっていうと、残念ながらまだ足りないんだよね。
幼児期・児童期に英語に触れることの効果は、たしかにある。特に「英語の音を聞き分ける耳」と「英語を怖がらない感覚」は、この時期の子どもがいちばん柔軟に吸収できるって言われてる。私が自分の子どもに0歳から英語を聞かせてきたのも、まさにここが理由。
でも、さっき計算したよね。小学校で全部足しても150時間+α、中学・高校まで足しても850時間前後。習得目標2,200時間に対して、まだ4割にも届かないの。改革はある。方向は正しい。でも、量が全然足りていない。それがフラットな事実。
「制度が変わったから、うちの子は大丈夫」——ここで安心しちゃうのは、正直、ちょっと危ないと私は思ってる。「昔よりマシ」と「話せるようになる」の間には、まだ大きなギャップがあるんだよね。
国際データが示す日本の英語力の現在地


ここまで話してきた構造的な問題は、実は国際比較のデータにもハッキリ表れてる。ちょっとリアルな数字を見てみよう。
世界的な英語教育企業EF Education Firstが毎年発表してる「EF EPI(英語能力指数)」の2025年版によると、日本の英語力は123カ国・地域中、96位(スコア446)。前年92位からさらに下がった。5段階でいちばん下の「非常に低い」に分類されてる。
アジア圏で見ても、シンガポール、フィリピン、マレーシア、韓国、香港、ベトナムなど、多くの国が日本より上位にある。「経済力世界3位、4位」の国のスコアとしては、正直、寂しい数字だよ。
でもね、この調査でいちばん見てほしいのは順位じゃないの。スコアの中身のほう。日本のリーディングは454点あるのに、スピーキングは393点。その差、61点。ライティングも394点で、やっぱり低い。
これ、さっきの「設計通りに動いた結果」の話とぴったり重なるんだよ。読む力はちゃんと育ってる。育っていないのは、話す力と書く力。つまり日本の英語教育は、力を入れたところはきちんと結果を出してて、時間を割かなかったところが伸びていない。それだけの話なの。日本人が英語ができないんじゃない。測って鍛えてきたものだけが、そのまま数字に出てるってこと。
※出典:EF EPI 2025 English Proficiency Index(EF Education First, 2025年発表)。日本のスコア内訳はリーディング454/リスニング437/ライティング394/スピーキング393。
EF EPIの結果だけを鵜呑みにする前に知っておきたい注意点
EF EPIは無料のオンラインテスト受験者データをもとにしているので、「国全体の平均値」を厳密に測ってるわけじゃない。だから「日本人全員がそのレベル」と誤読しないように注意。ただ、経年変化やアジア内での順位感覚を掴む指標としては十分に参考になる、というのが一般的な見方だよ。
この数字を見てね、私はこう思うの。「悔しい」というより、「そりゃそうなるよね」って納得してる。だって、ここまで見てきた通り、時間・設計・言語の距離・使う必然性、どれをとっても構造的に不利だもん。順位を上げるのは、制度改革だけじゃたぶん間に合わない。じゃあどうするか…ここに、家庭の話がつながってくるんだよね。



このデータね、実は私が留学したくなった20年以上前からずっと「日本は英語できない」って言われ続けてるの。でも正直、順位より、自分の耳と口で味わった「話せなかった悔しさ」のほうが、私にはよっぽどリアルだったよ。
私がイギリスで思い知ったこと──「大人からでは本当につらい」


ここで、私自身の話をさせてほしい。ちょっと恥ずかしい話も混じるけど、これがこの記事でいちばん伝えたい部分だから。
私はもともと看護師だった。20代前半で資格を取って病棟に立ってたんだけど、当時からずーっと「これ、私に合ってるのかな」って違和感を抱えてたの。あるとき、1か月休みが取れて、勢いだけでイギリスに行った。そこで見た景色と、聞こえてきた英語と、街の空気で、「私、人生変えたい」って本気で思ったんだよね。
帰国して看護師に戻って、数百万円貯めて、辞めた。1年後、もう一度イギリスに飛んだ。今度は片道切符に近いつもりで、2年滞在した。ホームステイして、語学学校に通って、ベビーシッターで働いて。あのころの私、本気だった。人生ぜんぶ賭けてた。
で、2年経って「思い通りには話せなかった。」
いや、日常会話くらいはできるようにはなった。買い物も、道を聞くのも、天気の話も。でもね、「自分の意見を、自分のペースで、自分の言葉で話す」ってレベルには、届かなかった。議論になると黙るしかなかったし、冗談を返せなくて場を白けさせた回数、数え切れない。カフェの同僚が話してることの半分は、いつも遅れて意味がわかった。
帰りの飛行機で窓の外を見ながら、悔しさよりも先に、「なんで私はこんなに時間かかるんだろ」って納得に変わっていくのを感じた。あの2年で確信したのは、日本の英語教育がダメだった、じゃない。「日本語だけの人生を20年やった脳で、大人になってから英語を取り戻すのは、こんなにも重労働なんだ」ってこと。
2年イギリスにいても話せなかった理由を、今は分かる
あのとき何が壁だったか、今の私ならわかる。整理するとこんな感じ。
- 日本語思考の壁:頭の中で日本語→英語に一度翻訳するクセ。20年以上使った回路は、そう簡単に切れない。
- 聴覚の壁:日本語にない音は、大人になると本当に「聞こえない」。RとL、BとV、母音の微妙な違い。ここは幼児期のほうが圧倒的に有利だと後で知った。
- 間違えることへの抵抗:大人はプライドがある。「変な英語を話す自分」を人前にさらすのが、本当にキツかった。子どもは、これがない。
どれもね、イギリスのせいでもないし、私の努力不足でもなかったの。私の脳が、そういう風にできてただけ。
そして、この「できてる」状態は、大人になってからほぐそうとすると、本当に大変。
そこで、私は決めた。「自分の子どもができたら、同じ思いはさせない」。
これがね、後にバイリンガル育児を始めた、私の一番深い動機なんだよ。「バイリンガルってなんかカッコいい」とかじゃない。「私が2年かけてもたどり着けなかった場所に、うちの子は0歳から連れて行きたい」そういう、ちょっと重たい母親の願いだった。
学校を責めても、うちの子の英語力は1ミリも上がらない


さて。ここまで「なぜ日本人は英語が話せないか」の構造を、時間・設計・言語距離・使う必然性・国際データ・私の体験と、いろんな角度から見てきたよね。
読んできて、こう感じてる人、いない?
「構造はわかった。でも、だからうちの子どうすればいいの?」
この問いに、真正面から答えるね。
親であるあなたが、学校制度に怒ったり、政治に不満をぶつけたり、SNSで先生を批判しても、あなたの子どもの英語力は1ミリも上がらないんだよ。
ちょっと厳しいこと言ってる自覚はある。でも、これは私が自分に何度も言い聞かせてきた言葉。制度を変える力は、私たち普通の親にはない。文科省を動かせるのは、私じゃない。カリキュラムを書き直せるのも、私じゃない。
じゃあ何ができるかっていうと、家庭の中の環境を作り替えることだけ。それが、親に残された唯一のカードなんだよね。
「英語環境を作った家庭」と「任せきりにした家庭」の差はどこで出るか
私、20年育児してきた中で、いろんな家庭を見てきた。同じ学校、同じ塾、同じ教材で始めても、子どもの英語力に差が出る家庭とそうじゃない家庭の違いって、実は明確なパターンがあるの。
| 比較項目 | 英語環境を作った家庭 | 学校に任せきりの家庭 |
| 普段の家のBGM | 英語の歌・英語のアニメが流れてる | すべて日本語 |
| 絵本の読み聞かせ | 週1回でも英語の本を混ぜる | 基本すべて日本語の本 |
| テレビ・動画 | 週数時間は英語コンテンツ | ほぼ日本語番組のみ |
| 親の口ぐせ | 「グッドモーニング」「サンキュー」を混ぜる | すべて日本語 |
| 英語との「距離感」 | 日常の一部・特別じゃない | 教科・特別なこと |
見てわかると思うけど、「特別な教材」も「高額な英会話スクール」も、リストに入ってないんだよね。差を作ってるのは、そんな大げさなことじゃない。「日常に英語がちょっとだけ混じってるかどうか」たったそれだけ。
もう一つ言うとね、親が英語を話せる必要はまったくないんだよ。私の夫、英語力ほぼゼロ、海外渡航経験もゼロだったから。うちの子どもたちがバイリンガルになったのは、私が英語ペラペラだったからじゃなくて、家の中で「英語が流れてる時間」を作ったから。
これ、勇気になるでしょ。あなたが英語苦手でも、なんにも関係ないってこと。
海外経験ゼロ、英語力ゼロ、今からでも始められること


ここまで読んでくれてありがとう。最後に、いちばん大事なことを言うね。
早いほうがラク。でも、「手遅れ」は絶対にない。
「乳幼児期を逃したらもう終わり」みたいな脅しは、私は絶対にしたくない。だってそれ、うちに0歳〜2歳の子がいるママしか救えない話でしょ? 3歳の子、5歳の子、小学生の子を育ててる人みんな、罪悪感で潰れちゃう。
そうじゃない。始めるのが早いほど、親のコストも子どものストレスもラクになる。それだけ。今3歳でも、7歳でも、10歳でも、「今日から始めるのがいちばん早い」って、それに尽きるの。
「英語が苦手な親」がまず今日できること3つ
じゃあ、今日、寝る前までに何ができるか。お金がかからない・親の英語力ゼロでもできる・失敗のしようがない、この3条件で私が真っ先におすすめしてるのは、こんなこと。
1日中じゃなくていい。1日30分でも、朝の身支度中でも、夕方の家事中でも。無料で見られる子ども向け英語番組はたくさんある。「特別な英語の時間」じゃなく、「BGMの一種として英語がある」状態を作るのが大事だよ。
図書館に行けば英語の絵本は必ずある。無料で借りられる。発音が下手でもぜんぜんOK。子どもは「ママが自分のために本を読んでくれる」時間そのものが好きだから、内容の完璧さより「一緒にページをめくる時間」を優先して。
朝は「Good morning!」、ご飯は「Yummy!」、寝る前は「Good night!」。これだけでいい。子どもにとって「英語=お家で使うふつうの言葉」の感覚を育てるのが最終目標だから、量より頻度。毎日1回×365日=年間365回、脳に「英語は日常」って伝えることになるよ。
どう? どれも今日、この記事を閉じてすぐできることばかりでしょ。教材を買う必要も、スクールに申し込む必要もない。まずはこの3つを、無理のない範囲で試してみて。1週間続いたら、それが立派な「英語環境のある家庭」の第一歩だよ。



正直に言うとね、私が2人の子どもたちにしてきたことも、最初はこれくらいシンプルだったよ。英語の歌を一緒にへんな発音で歌って笑って、絵本を一緒に指さして、朝「グッドモーニング」って言い合って。ぜんぜん大げさじゃない。子どもの学習って、そういうところから始まるから。
まとめ:「日常に英語を溶け込ませちゃいな」


長い記事にお付き合いくれてありがとう。最後に、この記事で伝えたかったことを3行にまとめさせて。
- 「話せない」は構造の問題。子どもも、先生も、あなたも、悪くない——時間、設計、言語の距離、社会環境。全部が絡んで、話せない結果が生まれてるだけ。
- 学校の制度は、親には変えられない。変えられるのは家庭の中だけ——先生を責めても、政治を嘆いても、うちの子の英語力は1ミリも上がらない。動かせるのはリビングの中の時間だけ。
- 早く始めるほどラク。でも、手遅れは絶対にない——「乳幼児期を逃したら終わり」なんて脅しは無視していい。今日から始めた家庭が、いちばん早い家庭。
私はね、看護師を辞めて2年イギリスに行っても話せなかった側の人間。だからこそ、あなたに焦ってほしくない。でも同時に、「学校だけに任せておいて話せるようになる」って幻想も、正直に手放してほしいと思ってる。ここに気づいたあなたは、もう半分ゴール見えてる。あとは行動するだけ。
お金がなくてもいい。海外経験ゼロでもいい。あなたの英語が下手でもいい。
子どもの隣で、あなたが1日1回、変な発音で「Good morning!」って笑ってあげるだけで、その子の英語人生は、ちょっとずつ変わっていくから。
だからね!
日常に英語を溶け込ませちゃいな。
それが、この構造の中で親が唯一できて、そして意外なほど効く、たった一つの答えだよ。あなたにも、絶対にできる。一緒にやっていこ。
